青い看板が目印です。周囲が暗い中なので見つけやすいと思います。この看板の左側が駐車場です。夜は見づらいですが、正


公益社団法人名古屋市獣医師会
夜間動物緊急診療所


【住所】

〒460―0011
名古屋市中区大須4―12―21
名古屋市獣医師会館1F

【Tel】
052―263―9911
(キューキューワンワン)

※必事前電話連絡

【診療時間】
※年中無休
PM 9:00~AM 2:00

【診療体制】
獣医師3~5名、動物看護師3~4名(専任獣医師4名、非常勤獣医師40名;派遣獣医師3名含、専任動物看護師4名、アルバイト動物看護師1名)

【診療業務】
●小動物の緊急診療
●所有者不明の負傷動物救護
●無料電話相談(テレフォンドクター)

【アクセス案内】
地図こちら(名古屋市獣医師会のページに飛びます)

●車をご利用の場合
中区保健所、地下鉄名城線上前津駅、名古屋中警察署等を目標にして向かい、近くまで来たら電話して誘導して頂くのをお薦めします。
 
面玄関横にある「食品衛生管理者講習会場」の看板も目にとまりやすいので、目印にしてください。


【駐車場】
獣医師会館南側(個人名表記がありますが来院者は利用可)に7台分あります。

※満車時には診療所東側にもコインパーキングがあります。
※診療所周辺の路上駐車厳禁。
※周辺の道路は北向、東向の一方通行です。中区保健所から夜間診療所に向かって左折入庫すると、一方通行の逆進入違反になります。一旦獣医師会館前を通過して一本目を左折、表通りに出て一本目(ローソンの角)を左折して入庫してください。ローソンや飲食店があり夜間でも人通りがあるので、思わぬ事故を起こすことにもなりかねません。ご注意をお願いします。

●公共交通機関をご利用の場合
地下鉄上前津駅2番出口から徒歩5分

【ここにいる子たち】
きーちゃん(キジトラ♂,5kg)

交通事故で片脚を失ってここに運びこまれ、そのまま居着いています。大人しいけど警戒心は強く、なかなかこちらを向いてくれませんでした。右耳を倒して不機嫌オーラを発していたので、目線ももらえず終いでした。撮影後謝ってきました。

しるこちゃん(サバトラ白♂,4kg)

目をいっぱいに見開いてこちらを凝視していたので、手を振って挨拶したら威嚇されてしまいました。先生が手を差し伸べるとちゃんと撫でさせてくれるし、普段は大人しくて優しい子とのことです。

※プライバシーに関わりますので、人物写真には「ぼかし加工」を加えています。ご了承ください。

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血液検査の結果を踏まえ、病気の原因に関する説明を受けている飼主様たちです。お二人にとってチャチャちゃんは家族そのものであり、目、心臓、気管支の病気を抱えているうえに、新たな病気を発症したことに飼主様たちが心を痛めている様子は、拝見していて胸が苦しくなりました。

チャチャちゃん(14歳、ポメラニアン)です。採血後、一旦待合室で検査結果がでるまで待っています。トイレに行った時に発作が起きてしまったので、今からオシッコするかもしれないというお申し出があり、診療所からペットシーツを借りて様子を見ているところです。

今春から手足が不自由になってしまったチャチャちゃんは、日常生活のほとんど全てに介護が必要な子です。ご主人と一緒に寝ている最中、いつも通りトイレに行きたがったので連れていくと、突然全身がけいれんして泡を吹き、四肢がつっぱってガタガタ震えだしたので来院されたそうです。





獣医師のご説明は、「白血球数の増加は見られるが、一過性の上昇である可能性が高いこと、赤血球は正常値の下限程度で、ヘモグロビンの様子にも異常はないので、貧血の心配はないこと、GPT等の数値が高いのは長い間心臓病の薬を服用している影響と思われるが、かかりつけ医が持っている最近の検査結果と比較して、異常値ではないかどうか確認する必要はあること、アルブミンが少し高いが、利尿剤を服用していることを考慮すると、特に注意すべきとは言えない程度であること、現時点では不整脈はみられないこと、以上の結果から総合すると、けいれんの原因は頭部にあると思われる」というものでした。

チャチャちゃんは初老のご夫婦にとって「本当の子供」であり、24時間介護されているそうです。5年ほど前に心臓を患った時と2年前に気管支に痰が詰まってしまった時にも来院され、今回が3回目になってしまったとのことでした。普段はご近所のかかりつけ医に週2回通院して体調を維持しているそうですが、けいれんを起こしたのは初めてだったので、既にお休み中だった奥様も起き出して、とるものもとりあえずの来院だったそうです。

検査結果を待っている間、チャチャちゃんは毛布にくるまれてご主人の腕に抱かれていました。最初は不安だったせいか、落ち着かない様子も見られましたが、しばらくするとウトウトしかけるほど安らいだ顔を見せていました。「寝たきりになってから、こうして抱いているか、くっついていないと落ち着かないんですよ」とご主人はおっしゃっていました。「何か用事があって構ってやれないと、普段は絶対に粗相しないのに、ほんの少しだけオシッコして気を惹こうとするんです」とおっしゃる言葉の端々に、愛情が溢れていました。

検査結果が出た後、症状のほとんどがてんかんの発作に当てはまるということで、これからの治療に関する説明が獣医師から行われました。「脳波検査やMRIで原因を探る方法はあるものの、心臓が悪い子の場合は見合される可能性もあること、3か月に2回発作を起こすようなら投薬治療が必要だが、肝臓に負担がかかるので血液検査で経過を見ながらの治療になること、帰宅後に発作が再発した時のために坐薬を処方すること」等、獣医師の言葉に、お二人は一生懸命耳を傾けていらっしゃいました。

受診を終え帰宅の途に就くお二人の後ろ姿からは、また新たな病気を抱えてしまった我が子を、それでもなお介護していく覚悟のようなものが感じられ、改めて我が子に対する想いの深さが伝わってきました。


当日来院された患者様たちは、幸いにも緊急手術を要するような症例ではありませんでしたが、みな今後の治療と経過観察が必要になりました。ペットと飼主様にとっては、病気との戦いがこれから始まるわけであり、不安を抱えながらのご帰宅だったと思います。

その不安な気持ちを少しでも和らげるように、獣医師と動物看護師はできる限りわかりやすい説明を行い、飼主様からの様々なご質問にも真摯に応えていらっしゃいました。「ほとんどの患者様とは1度きりしかお目にかかることがない」という、かかりつけ医とは違った関わり方を強いられる状況で、飼主様とうまくコミュニケーションをとることは簡単なことではありません。それでも、ペットのために懸命な飼主様の期待に応えるため、年中無休で対応する姿勢には、感銘を受けました。

最後になりましたが、ユキちゃん、リラちゃん、チャチャちゃんとその飼主様各位にとって、これからも幸せなペットライフが続くことを祈念しております。

また、(社)名古屋市獣医師会の関係者の皆様並びに夜間診療所の獣医師、動物看護師の皆様には、ご多忙な中にも関わらず、ご協力とご配慮を頂きましたことを心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

case3. チャチャちゃん(てんかん発作)

リラちゃんのレントゲン写真を見ながら獣医師の説明を聞く飼主様たちです。リラちゃんも大人しく抱かれ、話の内容を理解できているかのような表情を浮かべていました。獣医師の丁寧な説明には今後の治療方針等に関するアドバイスも含まれていたので、飼主様たちの不安も少しずつ和らいでいったようでした。

リラちゃん(♀2歳、チワワ)です。レントゲン撮影終了後、一旦待合室で写真ができるまで待っているところです。精一杯頑張ってこちらを見てくれました。奥様に抱かれていても、少し不安そうな表情をしていました。痛めている右後脚をご夫婦がさすってあげていて、リラちゃんも飼主様の顔を見つめていたのが印象に残りました。

日中から右後脚を引きずるようになり、夜になっても症状が治まる気配がなく、苦しがっているので翌日を待たずに来院されたとのことでした。ゆきちゃんと同じ2歳と若く、病歴もなくいつも元気に走り回っている子だけに、突然の発症で慌ててしまったそうです。





獣医師のご説明では、「様々な角度から患部を触診しても痛みを訴えることがないこと、念のためレントゲンを撮ったが亀裂骨折等も見られなかったことから、恐らくは膝関節が外れた違和感から脚を引きずっていたものと考えられます」とのことでした。

飼主様は札幌から転勤されてまだ日が浅く、フィラリア対策のためにご近所の動物病院に行った程度しか名古屋の動物病院との関わりがないので、これから本格的に主治医を探すおつもりだったそうです。そんな矢先の出来事だったので、慌ててインターネットで検索して夜間診療所を見つけ出し、来院されたとのことでした。

獣医師から「病気の性質上、継続的な治療に取り組む必要があること」「外れた関節を元に戻すには手術しかないが、手術するうえでのデメリットをよく理解すること」「内科的療法として関節組織の材料となる犬用グルコサミンを摂取することを薦める獣医師もいる」「主治医によく相談してどうするか決めること」「膝関節への負担を減らすために、飼育環境における段差の解消や体重管理を続けること」等の説明を受け、「これまで受診した獣医師の中では、一番親切にわかりやすく教えて頂けたので安心できました」と飼主様はおっしゃっていました。

最後に、「『膝が外れる』というと驚いてしまいますが、小型犬では一般的な病気なので、落ち着いて対処すること」「注射したので気持ち悪くなるかもしれず、水を欲しがっても口を湿らす程度しかあげないように」と獣医師はお話しして吐瀉物用袋を手渡し、帰宅後はできるだけ安静と沈静に努めるよう伝えながら、お見送りされていました。

case2. リラちゃん(右後脚の引きずり)

ユキちゃん(♀2歳、ヨークシャテリア・トイプードルmix)と血液検査結果の説明を聞く飼主様たちです。採血後、検査結果をお待ちの間にお話しを伺いました。その間、ユキちゃんは写真が撮れないほど走り回って元気だったので、飼主様たちは不思議がっていらっしゃいました。

夜になって急にけいれんを起こして立てなくなり、足をばたつかせ、なんとか落ち着いた後もよろめきが続き、震えていたので心配になり来院されたとのことでした。まだ2歳と若く、これといった病歴もなく、予防接種と健康診断以外は動物病院にも縁がないという至って元気な子だったので、飼主様は非常にびっくりされたそうです。



獣医師のご説明では、「けいれんが1~2分と短時間であること、来院途中から徐々に回復し、ほぼいつも通り元気になっていること、血液検査結果から、低血糖、貧血、低カルシウム、腎臓・肝臓疾患等の異常は見られないこと等から、脳腫瘍、てんかん、水頭症、脳炎等が頭部にあるか、脊椎に何か異常があるか、何か精神的なショックを受けた等の可能性が高い」とのことでした。また、「化粧品、薬、石鹸、アルコール等の誤飲・誤食による中毒症状もあり得るので、飼主様には帰宅後に無くなったものがないか確認してください」とお話しされていました。

けいれん発作の場合、診察時はほぼ正常でも帰宅後に再発する恐れがあるため、再発作時のけいれんを抑える坐薬を処方し、「泡をふいてしまって呼びかけにも応じないような時に坐薬を入れて下さい」「入れ方は、一人が抱いて、もう一人が尻尾を持ちあげて注入し、体温で溶けるまで5分程度そのままの状態にしてあげてください」と、飼主様がちゃんと説明内容をご理解頂けているか確認しながら、薬剤と手袋を見せつつわかりやすく説明されていました。

最後に、帰宅後はできるだけ安静にして様子を見守り、翌日にかかりつけ医で今後の治療について相談するようアドバイスされていました。頭に病気があるかどうかを診断するためには、人間同様MRIやCTでの検査が必要なので、かかりつけ医からご紹介を頂くようお薦めされていました。

飼主様が夜間診療所をご存知だったのは、東海地方の夕方のニュース番組で紹介されていたことを覚えていたためとのことでした。ただ、名古屋市獣医師会が運営していることはご存知ありませんでした。「動物病院なら全部獣医師会に加盟しているのではないのですか?」ともおっしゃっていたのが印象に残りました。

case1. ユキちゃん(けいれん・よろめき)

取材当日は3組の患者様が来院されました。ペットライフケアでは、患者様に取材の趣旨を説明させて頂き、ご了解を得て、診療状況、飼主様のお気持ち等について伺いました。

公益社団法人 名古屋市獣医師会
夜間動物緊急診療所インタビュー ~ ペットライフケア
(3) 患者様の診察ドキュメント

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【インタビューの目次】

   (1) 夜間診療所の概要
   (2) データで見る夜間診療所
   (3) 患者様の診察ドキュメント
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